霞ヶ浦 
浅い湖における日成層の形成と湖水流動


 霞ヶ浦は浅い湖(平均水深4m)で、流域の人間活動の活発にともない、富栄養化が進んでいます。一方、近年は都市における水需要の増加とともに、水資源開発の対象としても考えられるようになってきました。このため湖沼の総合的水管理が社会的課題となっています。
 



日成層の形成と消滅
浅い湖では”日成層”ができます。”日成層”とは、一日で生成と消滅を繰り返す水温成層のことです。水面付近の水は日光で温められて軽くなり、下層の水は光が届かないので比較的冷たいままです。こうしてできる水温成層は湖内の物質輸送を特徴的なものにします。特に、霞ヶ浦は水質の空間的な差が大きく、高浜入りの汚濁負荷の高い水が湖心部に流れ込むことが湖全体の水環境を大きく左右します。この実態を捉えるために日成層形成と湖水流動の観測と数値シミュレーションを行いました。

現地観測
 

流れの計測には設置型のADCPを使います。あと、日成層の形成を見るためにサーミスターチェーン(水温計をいくつもつけたロープ)を設置します 高浜入りと湖心の間には霞ヶ浦大橋がかかっています。橋からADCPなどの計測器を下ろしていきます。 計測器が重いので橋の上からの作業は結構労を費やします。




観測結果です。横軸は時間で1目盛りが一日を表しています。水温と流速の鉛直分布を色で示しています。天気のいい日には水面付近の水温がかなり上昇し、水温成層ができていることがわかります。その成層が午後から夜にかけての風で壊れていくのがわかります。




数値シミュレーション 

数値計算の入力条件として、吹送流を生む風向風速、大気と湖水との熱の授受のファクターとなる放射・気温などの気象観測データを用います。
そして、湖全体の流動を計算します。


霞ヶ浦大橋の水温と流速のプロファイルの計算結果と観測結果の比較です。
日成層の生成と消滅、流れの二層化が再現されています。