小川原湖におけるヤマトシジミの繁殖環境








<稚貝の拡散>
 海水流入口である高瀬川口が海水浸入によりシジミの産卵に適した環境にあることがわかった。それは高瀬川口で産卵が行われやすいということを示している。しかし、実際には塩分濃度の低い湖奥でもシジミは生息している。これは、以下のように推測される。
卵からかえったシジミの幼生は平均1週間程度の浮遊生活を送る。この間に風によってできた湖流によってこないで拡散される可能性がある。そこで、湖の上の風の分布を計測し、その風分布によって生じる湖内の流れをシミュレーションモデルを用いて再現した。そして、その流れに乗って拡散するシジミの様子を予測した。

下図、左が風分布の計測結果、中央がそれによって生じる湖流のの流速ベクトル、右が産卵6日後の幼生の分布のシミュレーション結果と体長頻度分布の調査結果の比較である。稚貝の分布の様子は体長頻度分布によく類似している。

以上のことから、
高瀬川口で繁殖したシジミは吹送流に乗って湖内の広域に拡散していくものと考えられる。