東京科学大学 環境・社会理工学院 - 木内研究室 
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 先端技術の融合による地域水資源の評価と予測
水は地球上の生態系や人間活動を支えるかけがえの無い存在ですが、時空間的に遍在し干ばつや洪水を引き起こします。気候変動と人間活動の拡大はこの傾向を強めることが予想され、これに伴い水質汚染も顕著になると考えられます。当研究室では、国内外の様々な地域を対象に、このような水問題を引き起こす現象の理解と問題解決方法の提案を目指して、先端技術を活かした包括的かつ学際的なアプローチに基づく研究を行っています。
 

 最近の主な研究テーマ(国内フィールド)



    日本各地
      目的:水循環や降雨流出現象の理解

       ・水源流域における降雨流出支配要因の同定
       ・気候変動が極端豪雨の発生に及ぼす影響評価

    霞ヶ浦流域 (茨城県)
      目的:富栄養化の予測と対策

       ・気候変動が湖沼の水質に及ぼす影響評価
       ・機械学習を用いたアオコの発生予測
       ・水循環に伴う栄養塩(窒素、リン、炭素)の輸送現象モデリング
       ・紫外可視分光光度計測に基づく河川水中の有機物、栄養塩、浮遊物質のモニタリング

    阿武隈川流域 (福島県・宮城県)
      目的:放射性物質による汚染レベルの変化と河川・海洋への影響の予測

       ・土砂の侵食・輸送と放射性セシウム移行のモデリング
       ・降雨シミュレータを用いた土砂侵食現象の解明
       ・元素組成に基づく河川中を流れる土砂の起源推定

    多摩川流域 (東京都・神奈川県)
      目的:多摩川の水環境や生態系に及ぼす人間活動の影響解明と改善策提案

       ・数値シミュレーションによる河川水温の上昇要因の解明
       ・地下水と河川水の交流現象の解析


 

 最近の主な研究テーマ(海外のフィールド)



    メコン河流域、トンレサップ湖流域 (カンボジア、ラオス、中国)
      目的:流域の開発や気候変動が水資源、水災害に及ぼす影響評価

      ・メコン河流域の土地利用変化やダム建設が流出に及ぼす影響解析
      ・地上データが不足する流域における衛星データ等を活用した水循環・土砂流出解析
      ・衛星観測データを用いたトンレサップ流域のリアルタイム浸水予測
      ・気候変動がメコン河流域の水資源に及ぼす影響予測

    東南アジア都市 (カンボジア、ベトナム)
      目的:東南アジア都市の都市化や気候変動が水害脆弱性に及ぼす影響評価

      ・気候変動が極端豪雨の発生と水害リスクに及ぼす影響
      ・市街地の浸水シミュレーション精度の向上
      ・市街地浸水に伴う健康影響の実態解明
      ・将来の土地利用変化と気候変動シナリオに基づく水害脆弱性予測

    チャオプラヤ川流域 (タイ)
      目的:洪水や渇水の予測精度向上と気候変動の影響予測

      ・衛星画像や水文データを用いた大規模浸水現象の分析
      ・降雨流出と氾濫現象の数値モデリング
      ・気候指標や全球気候データを用いた極端気象の予測と水資源管理への応用

    南アジア (インド、パキスタン)
      目的:陸水・地下水の動態定量化や気候変動の影響予測

      ・衛星データや陸面モデルの出力を用いた陸水・地下水の動態定量化
      ・渇水が農業に及ぼす影響評価
      ・インダス川流域の水資源の評価・予測

    熱帯アンデスの高標高山岳流域 (ボリビア)
      目的:将来にわたるボリビア首都圏(ラパス・エルアルト)の水資源確保

      ・衛星画像を用いた氷河や湿地の抽出
      ・氷河融解・流出現象のモニタリング・モデリングと気候変動の影響予測
      ・ボリビア首都圏の水需給予測と水資源確保策の提案